2012.10.01コラム
高年齢者雇用安定法の改正
年金の支給開始年齢が来年度から段階的に引き上げられるのに合わせ、企業に対して希望する全員を65歳まで雇用するよう義務づける「高年齢者雇用安定法」の改正案が8月に成立しました。この新しい改正法案は、平成25年4月1日から施行されます。
この改正の概要は以下の通りとなっています。
1.継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止
改正前は一定の基準を定めることにより、基準に合わない社員の再雇用を拒否し、再雇用を希望する者全員を継続雇用の対象とする必要はありませんでしたが、改正ではこの緩和規程が廃止されました。
2.継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大
この継続雇用制度には、定年を迎えた自社の社員を関係グループ企業等で引き続き雇用する契約を結ぶ措置も含まれています。
3.義務違反の企業に対する公表規定の導入
平成25年4月1日から、勧告に従わない企業について厚生労働大臣はその旨を公表することができることになり、企業名が公表されるという社会的制裁措置規程が設けられました。
4.高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針の策定
平成25年4月から企業は定年を引き上げる場合は65歳以上とするか、65歳まで働くことのできる継続雇用制度の仕組みを用意することが必要となります。
この高年齢者雇用安定法は、学校法人においても適用されますので、平成25年4月までには、社会保険労務士等に相談され、就業規則の中の定年規定の見直しを終えておくことが必要と思われます。
法人代表 升永 清朗