2012.02.01コラム
外貨建資産・負債等の会計処理及び表示について
世界不況(特に米国、ユーロ経済圏の不況)において円の価値が高くなり、現在1ドル76円台をキープしています。
そこで平成23年度の決算における外貨建資産・負債の会計処理及び表示について留意事項を説明します。
先ず外貨建の有価証券の会計処理については、日本公認会計士協会の学校法人会計問答集(Q&A)第13号「有価証券の評価について」の中のQ12によりますと「外貨建有価証券について時価の著しい下落又は実質価値の著しい低下により評価額の引下げが求められる場合には、当該外貨建有価証券の時価又は実質価値は、外国通貨による時価又は実質価値を決算時の為替相場により換算した額による。著しく下落したかどうかは、外貨建ての時価と外貨建ての取得原価とを比較して判断する。」ことが謳ってあります。従って、外貨建有価証券の評価において著しく下落したか否かの判断は、外貨ベースで取得価額と時価を比較し、また著しく下落した場合の評価額は、決算時の為替相場により円換算した額となります。
因みに、「著しく下落した場合」とは、時価の下落率が50%以上の場合をいい、合理的な反証がない限り時価が取得価額まで回復する見込みがあるとは認められないため、評価減を行わなければなりません。(Q7)
表示においては、外貨建資産・負債に金額的重要性がある場合には、重要な会計方針として換算基準を注記します。因みに、外貨建有価証券は、為替相場の変動の影響が有価証券の時価情報の注記に含まれるためここでは不要となります。
法人代表 升永 清朗